スパイス  組み込み制御装置の受注製作

小規模組み込み装置に向いたCPLD
平成26年 8月 29日

 小規模な組み込み装置で扱いやすいCPLDは
 USBにおける複合デバイス機能によって複数機能を実装するメドがたったので、次の作業まで少し準備をする間に、回路寄りの話題を書いておきます。これからデジタル回路を始める人と将来の私自身が読者対象(この文書は私の備忘録を兼ねています)になります。

    CPLDとFPGA
 書き換え可能なロジックデバイスには大きく分けてCPLDとFPGAがあります。当初は基本的な内部回路の実装方式の違いによって分けられていたのですが、現在ではこの分類に適応しないものが多数あります。現在はある一定の基準以下の小規模な物がCPLD、大きな物がFPGAと分けられているようです。
 組み込み装置を前提にした場合、汎用的なIOの追加や簡単なシリアルポートのような論理回路を実装する程度ならCPLDで十分です。
FPGAの出番があるのは、
 ・画像処理のようにデータ処理を実時間でハード処理するような回路の実装
 ・CPUまでをFPGAに含めるような実装
などのように、大規模な論理回路を実装するときだけです。非常に限られた特定分野が対象になります。
("応用分野"が限られるという意味です。例えば市販のテレビに採用されれば販売数量・金額は産業機器の比ではありません)

 一般的な産業機器向け組み込み装置の大半は機械制御が主用途ですので、装置の一部機能としてFPGAを使うこともありますが、大半の基板はCPLDを実装することになります。

    CPLDのメーカー
 国内メーカーは存在しないので嫌でも海外メーカーを使うことになります。数社ほどありますが、ザイリンクス社とアルテラ社の2社で全体の80%ほどのシェアを持っています。この2社から選択するのが常識的です。他のメーカーを選ぶ場合は部品の入手ルートと設計段階での情報量について慎重に判断すべきです。

    CPLDを使う上での注意点
 海外メーカー製であるというのを忘れてはいけません。国内メーカーと同じサポートがある訳ではないので、この点には特に注意が必要です。具体的には、
 ・開発ツールのバグフィックスが必ず行われる保証はない。むしろメインのデバイス以外では捨て置かれると思ったほうが良い。
 ・カタログ仕様は慎重に何度も読み直したほうが良い。
 ・これらの制約からあまりデバイスの仕様ギリギリの設計は避けたほうが良い。リソースの使用率は半分以下程度に抑えた方が安全。

 これらの内容について、少しずつ書いていきます。

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