スパイス  組み込み制御装置の受注製作

USBから複数シリアルポートを
平成26年 5月 16日

 USBケーブル1本で複数のRS-232Cを
 組み込み装置ではデバッグ用にシリアル通信を使用するのは常套手段です。このとき装置の制御用とは別にデバッグ用の通信ポートがあれば非常に便利です。従来はシリアルポートを2本用意するしかなかったのですが、USBは物理的に一本の接続でも論理的には複数の接続を確保できます。これを利用できるなら、PCと組み込み装置の間に論理的に2本以上のシリアルポートを確保することが可能です。

 組み込み装置側のプログラムは措くとして、PC側の設定はポート数を増やすだけなのでそれほど大変にはならないだろうと甘く考えていたのですが。正直なところ、この目標はマイコンやPLCを主体としている組み込み制御屋が手を出すべきではない内容です。最終目標まで到達できない可能性がかなり高い内容であることが分かってきました。
これを実現するためには、PCを主体としている技術者でかつWindowsのデバイスドライバ関連の知識があることが前提になります。当初はWindows側でのプログラム開発は必要ないだろうと甘く考えていたのですが、プログラムの開発が不要であったとしても、デバイスの情報を示すinfファイルを記述する必要があります。このinfファイルの記述は約束事の塊で、何の予備知識もない人がいきなり書けるものではないことが分かってきました。
 ネットで調べた限り、他にもチャレンジした人は数名いますが最終的に成功したという記述は見つかりません。途中段階で”上手くいかない”という記述のみが見つかります。

 しかし何もしないで諦めるのもどうかと思うので、少なくとも一本のシリアル通信を確保できる環境を作り、それを拡張して複数の通信を行う実験をしてみます。少なくとも、ここまでは上手くいくでしょう。
USBの接続だけでも非常に多くの知識が必要な上にWindowsのドライバ関連の知識も必要になるので、部分的な説明だけでも非常に分かり難いものになるのではないかという懸念はありますが、まあやってみてそれから考えるようにします。
 とりあえずはマイクロチップ社のHPからUSBライブラリのダウンロードから始めます。ここから躓いたのですが...


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