スパイス  組み込み制御装置の受注製作

組み込み開発で使用するPC
平成27年 1月20日

 組み込み開発用PC(その3) BIOSを外部で直接書き換える
 では実際に各社のBIOS更新についてみてみます。
私の手元にあるのはGigaByte製のマザーボードのみだったのですが、今年に入ってもう一台購入することにしました。
ただそれ程予算を掛けられるほどもうかっていないので、出来るだけ手持ちの部品を再利用する方向での検討です。
 欲しい機能はインテル社製CPUに搭載されているQSV機能で、これを使用するためにはソケット1150仕様のマザーボードが必要です。新品でも6000円前後で購入できるのですが、ちょうど新春セールなるイベントがあり、中古製品が安価にでていましたので、それを購入しました。
 購入品はAsrock社製H87 Pro4というマザーボードです。私が欲しいPICバスも2スロットあります。

 早速、BIOS更新を始めます。購入時のBIOS Ver,はP1.60のようです。ROMにシールが貼ってあります。
BIOSを外部で書き換えるためには、新しいBIOS Ver.のバイナリーファイルが必要です。

 1.Asrock製マザーボードのBIOSを外部で書き換える
 Asrockの場合、BIOSは3種類のファイルで提供されています。DOS用、Windows用、Instant Flash用です。
少し面食らったのは、これらのファイルは全て単一のファイルでバイナリーファイル自体も一つのファイルにまとめられてしまっています。これでは作業できないので、詳しく調べてみるとInstant Flash用のファイルからバイナリーファイルを取り出す方法が見つかりました。このファイルはバイナリーファイルの先頭に、このファイルに関する情報を付加してあります。バイナリーファイルとして書き込むには、先頭の余分なデータを削除したファイルを書き込めば良い。
 ファイルサイズから先頭の情報に関するバイト数が分かります。このマザーボードのBIOSは8Mバイトですが、このInstant Flash用ファイルのサイズは(8M+4K)バイトあります。従って先頭の4Kバイトを削除したファイルをバイナリーファイルとして書き込みます。
 ファイルの編集にはフリーソフトのFoxBinエディタを使用しました。
 この方法でマザーボードのBIOS更新が正しく行われた(更新後、期待通りにブートできた)ことを確認しました。
フラッシュROMの書き換えツールについては一つ前のブログを参照ください。


 2.Asus製マザーボードのBIOSを外部で書き換える
 Asus製のマザーボードは手元にないので、こちらは手順を示すのみになります。動作確認はしておりませんので、各自の自己責任において参照ください。当方は一切の責任を負いません。
 Asus社のHPからマザーボードのページに移動するとBIOSをダウンロードできます。試しにH87ーPLUSを例にとると、BIOSとしてはバイナリーデータ単体のファイルとそれに書き込みプログラムを一緒にした2種類のファイルが用意されています。
今回は外部で書き換えるのでバイナリーのみあれば良い。ダウンロードして解凍するとH87-PLUS-ASUS-2002.CAPというファイルがあらわれます。ファイルサイズはちょうど8Mバイトですのでバイナリーファイルとみて正しいでしょう。、これを直接ROMに書き込みます。


 3.GigaByte製マザーボードのバックアップBIOSを更新する
 GigaByte製のマザーボードでは、外部でBIOSを書き換えることは出来ないのですが、同様に二つあるBIOSの内バックアップ用のBIOSを書き換える方法がマニュアルにも載っていません。これではせっかくのDualBIOSのメリットは無くなります。もしメインBIOSが飛んだら、メーカー出荷段階の古いBIOS Ver.で起動しても、そのVer.で現在使用しているCPUが動作する保障はないのですから。
 DualBIOSが有効なのは、バックアップBIOSまでを最新Ver.に更新した後です。
こちらはネットであちこち探したところ、見つかりました。マザーボードの発売時期によって二通りに分かれるようです。
 ・最近のEFI BIOSでは、起動直後(BIOSセットアップに入るためのDelキーを押すタイミングで)ALT+F10キーを押す
 ・上記以前のBIOSでは、起動直後(BIOSセットアップに入るためのDelキーを押すタイミングで)ALT+F12キーを押す

 この方法もEFI BIOSに関してはH77-D3H/MVPマザーボードで動作を確認できました。それ以外は未確認です。自己責任で参考にしてください。

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