スパイス  組み込み制御装置の受注製作

モニタプログラムを移植する
平成26年4月 2日

ハードの準備

 プログラムの準備と平行してハードウェアの準備を進めます。ハードウェアで最初にすることは技術資料の収集です。SuperAKI-80には基板に実装されているTMPZ84C015、TMP82C265の日本語資料が添付されています。このような紙媒体の資料はインターネットの時代になってあまり必要性を感じなかったのですが、これらの資料もメーカーの生産中止に伴い入手できなくなっています。当時に発売された本などの技術資料が残っているのなら問題はないのですが、多くは期待すべきでないと思います。英語の資料なら何とか手に入りますが、さすがに読むのに時間がかかります。

 もう一つ不幸なことは、この当時の日本メーカーの資料は極めて内容が薄く、一読しても意味が良く分からないものが大半です。どちらかというと、ある程度使い方が分かっている人向けのハンドブックのような内容です。

 このため英語でも必要な情報が記載されている資料を探します。ここにザイログ社のz80ファミリ周辺LSIユーザーズマニュアルがあります。TMPZ84C015は基本的にZ80CPU+CTC+SIO+PIOですので、これら周辺LSIの資料で代用できるでしょう。この資料が分かりやすいかどうかは措くとして、オリジナルメーカーの資料であるという意味から最も信用できると思われます。

 相変わらず80系の周辺LSIはレジスタの割り当て方が強引で初期設定の仕方が非常に分かり難い。ネットを探せばSuperAKI-80向けの初期化関数を見つけることも出来ますが、ハードの初期化を意味が分からないままで使用するのは非常に危険です。ある程度意味が分かるだけの環境を揃えます。

  基板回路の確認

 LSIの動作・設定方法を調べるのと平行して基板回路上での接続を確認しておきます。これは基板を初期化するときに必要な項目や順序を考える上で必要になります。

 まず、メモリ空間はROMは0〜0x7FFF、RAMは0x8000〜0xFFFFとなるようにジャンパ線を行います。

 シリアル通信は制御線を使用しないので、そのように配線しますが、この場合RTS、CTSは未接続になります。通常はRTSとCTSを接続するのですが、未接続でも良いのか要確認です。

 CPUにはWDT(ウォッチドッグタイマ)が内蔵されていますが、その出力は基板内ではリセット入力には接続されていないので、WDTを禁止するか何もしないで問題ないと思われます。

 その他の機能は初期化をしなければ動作しないので、必要な機能のみを順番に追加していきます。モニタプログラムで必要になるのはSIOとSIOのボーレートを決めるためのCTC機能のみです。この二つの機能を重点的に資料を読んで理解していきます。

 ページ先頭へ 前へ 次へ ページ末尾へ